癌(ガン)に作用する“気の情報(感情など)” ~世界医学気功学会論文
世界医学気功学会通訊
WORLD MEDICAL QIGONG QUARTERLY
(2009年11月 中国・北京)
癌(ガン)に作用する“気の情報(感情など)” Cancer Causes: Emotionally-induced Physical Malfunction – Medical Cases and Analyses
青島 大明(日本)
2006年6月に発表した論文『気功によるガンの克服』では、5つの側面からガン発症のプロセスと、「ガン細胞を作る気の情報」の影響について論じました。
今回は、ガン発症の直接的な要因となりうる、人間の感情も含めた「気の情報」の作用と、ガンの予防および克服法について論じます。
人の感情と内臓機能や活動が、相互に影響しあうという考え方があります。
五情「怒」「喜」「思(慮)」「悲・憂」「恐・驚」などの感情が、五臓六腑に影響を与え、病気を作るだけではなく、逆に五臓六腑の状態が感情に変化を与えるという相互関係があることを教えています。
不安や恐怖、失望や悲しみなどの様々な感情や、病気についての誤った認識による「ガンへの不安や恐怖など」によって、頭で様々な「悪い気の情報」が作られ、経絡を通じて臓器など身体の各部位に作用し、ガン発症のきっかけや、さらにガンを促進させる要因となること。また、逆に臓器の状態が悪化すると、それが精神状態に作用することで、頭に新たな「ガンの気の情報」を作り出し、頭の経絡をストップさせ、ガンをさらに悪化させてしまいます。ガン克服の症例として、気功だけで取り組んだ2症例、気功と現代医学の治療法との併用で取り組んだ2症例など、4症例を紹介します。
1.気功のみ
症例① <乳管ガン>
40歳女性(足裏リフレクソロジスト)。
彼女は夫と1年以上別居後離婚、職場では人間関係によるストレスに、仕事による肉体的疲労も加わり、休日は疲れて寝るだけの生活になったという。体重も5?6kgほど減少した。
2004年秋の検査では、胸に異常がみつかったが、乳腺症ではないかと経過観察となった。
2005年2月1日の検査において、マンモグラフィーの画像に一部石灰化した箇所がみつかり、2月14日に細胞をとって詳しく調べたところ、0(ゼロ)期、初期の乳管ガンとの結果がでた。
聖マリアンナ病院の医師からは、0期でもCTなどで広がり具合をみた上で、全摘の可能性もあるとの説明を受けた。セカンドオピニオンで受けた国立がんセンターでも、同じ検体を調べ、結果は同じだった。
一時は手術日も決まったが、本人は0期の段階でも全摘もあるという説明に納得できず、手術はせずに他の方法を試みることに決めた。
その後、さまざまな治療法を試みたが改善はみられなかった。
2005年4月14日、気功の初回施術時、それまで自己流で行っていた偏った食事制限をやめるように指示し、それからは大明気功の施術と、家での朝晩の大雁功、部位別の練功などを行った。
最初は病気の不安や怖さがあったが、気功講習会などに出て、癌の消えた人の話を聞いているうち、力が湧き、「自分も治せる」「癌は怖いものではない」と思えるようになったという。
施術により胸のしこりは少しずつやわらかくなり、触っても、以前は小さく固いものがあったが、探してもわからないようになった。
彼女は、病院の検査結果で何回も嫌な思いをしたため、検査をしばらく受けてはいなかったが、きちんと検査を受けて安心した方が良いとアドバイスし、2008年3月31日に、CTと胸のレントゲンと血液検査(腫瘍マーカー)を受けたところ、検査結果は「異常なし」で「乳ガンはない」と診断された。
彼女は、生活上の大きな異変による精神的不安や、肉体的な疲労などにより、足裏のマッサージで「悪い気の情報」を受けいれやすくなったものと思われる。
この患者の診断書や検査結果は、以下の体験談に紹介しています。体験談『手術と言われた乳癌がなくなり、「異常なし」と診断されました。』
症例② <肝臓ガン>
88歳男性(経営者)。
46年前の十二指腸潰瘍の手術時の輸血で、C型肝炎に感染していたことがわかり、その後、良くなったり悪くなったりを繰り返していたが、体のだるさを訴え、元気がないため、2005年5月に超音波検査からCT検査を経て、肝臓に複数のガンが発見された。当時は、手を貸さなければ歩けないような状態だった。
病院で、ラジオ波で焼く処置を行い一時的にガンは消えたが、間もなく同じ場所に再発した。
歯科医師である息子と兄弟が相談し、父親が高齢なこともあり、体に負担のかかる現代医学の治療はしないで、気功を取り組むことにした。
気功の初回施術は、2006年2月。
施術を行った後、彼自身も、私が指導した頭の気功法を約束通りの回数行うため、正の字を紙に書きながら、毎日自発的に取り組んだとのこと。
医師からは「治療しないと余命3ヶ月くらい」と言われていたが、気功をしながら3ヶ月も経つうちに彼はだんだん元気になってきた。
それから1年以上経ち、別の病院で定期的に検査だけを受けている。現在では顔色もよくなり、スタスタと歩き、自転車に乗って出掛けるくらいしっかりと元気になっている。
実は発症当時、身内の問題で頭を悩ませることがあり、まじめな性格な彼は心労でいつも「疲れた、疲れた」と言っていたという。
また、2006年秋に彼の孫の家の悪い気を封じるための施術を行ったときに、彼の家の構造が悪い影響を与える可能性を指摘し、彼の病気に差し障りのないように改造することになった。私を信頼してくれている家族がみんなで「お父さんはこれで良くなるね」と彼に伝えていたためか、彼自身も病気が良くなることを信じて、安心して気功に取り組んだという。
現在も、心労の原因である身内の問題自体は解決していないが、彼自身の中で、うまく割り切って整理しているとのこと。
2008年10月7日の検査では、ガンは同じように存在しているが、全く進行せず、元気でいることに医師が驚いていたという。
C型肝炎から肝臓ガンに移行したケースだが、当初はイライラして人に当たることも多い性格だった彼が、だんだん穏やかに変わってきた。人はイライラすると頭に悪い気が多く作られ、肝臓も悪くなり、肝臓ガンを作りやすくなる。気功施術は全体で5回ほどしか受けていないが、練功を自分で熱心に行い、新しく肝臓ガンを作る悪い気がなくなってきたのだと思われる。
2.気功と現代医学との併用
症例③ <悪性リンパ腫>
66歳男性(会社員、経営者)。
1996年、妻の父が大腸ガンで逝去した後、妻の実家の家業相続と事業存続に加え、市の道路拡張の土地収用にも取り組み、東京での自分の仕事を続けながら千葉の自宅と愛知県を往復、多忙な毎日を過ごす。
結局、2000年8月に家業は廃業になり、売却先探しに難航、親族の反対を受けながらも、12月に葬儀会社への売却が完了した。
ここに至るまで、かなりの精神的な葛藤や肉体の疲労があり、2000年11月くらいから、尿の出が悪くなり、非常に疲れやすく、下半身が浮腫むなど体調不良になっていたが、忙しさのためと思い、病院には行かなかった。
2001年1月には、さらに体調不良がひどく耐えられなくなったため、病院に行ったところ、脾臓、腎臓、肝臓にかかる腹部中央に大きな腫瘍と、腹部周辺の複数箇所にも腫瘍が発見され、広がり具合から悪性リンパ腫のステージⅣと診断された。
病院では、抗ガン剤治療を6クール5ヶ月間行うが、治療の苦しさが加わり、体調不良や精神疲労による落ち込みはひどかった。
なお、実家の事業の存続と廃業などを一緒に尽力していた経理担当者も同時期に悪性リンパ腫を発症し、その後逝去したことが後日判明した。
この間、実兄がガンを悪化させ、見舞いに出かけるが落ち込みはひどくなる。
2001年4月には実兄が逝去、さらに落ち込む。
気功の初回施術は2001年2月の抗ガン剤治療の直前に病院で行った。施術後は、病室で頭と腎臓などの気功法をできるだけ続け、通えるようになったら病院からも気功院に通った。
2001年6月退院、医師が「悪性リンパ腫の小さいカスが残るだけ」の状態になり、一時寛解した。
2002年4月に体調、気分も、まだ十分ではないが、長兄の一周忌に参加し、心身ともに落ち込む。その頃も廃業後の諸事は続く。
2003年には、長年勤めていた会社が倒産(当時はその子会社の経営)し、愛着のある会社がなくなったことで落胆がはなはだしくなる。
2003年6月にペット検査で再度異常が発見され脾臓周辺に再発がわかる。
再入院し、抗がん剤、放射線治療、自家移植などの治療を行い10ヶ月後に退院。医師から「完全にきれいになった」と言われた。
気功は入院中も動ける時に数回通院し、病室で頭や腎臓の功法などを続け、退院後は、週に1回か、2週に1回の割合で通った。
強い抗ガン剤と自家移植を行った頃から、しょっぱい以外の味覚を感じなくなる。回復するまで、その後10ヶ月ほどかかった。また、1回目の入院時より2回目の方がさらに足に力が入らなくなり、こわばった状態になったが、毎回悪くなったものを、施術の度に軽減するということを繰り返した。
その後は大雁功も習得し、日々取り組むようになった。
彼は退院半年後くらいから時々ゴルフを楽しめるようになり、現在では普通に生活を送っている。
通常、再発の場合、回復が難しくなることが多い悪性リンパ腫が再び寛解し、
2008年現在、血液検査の腫瘍マーカーも異常なく、画像診断でも医師から「落ち着いている状態」と言われており、4年以上再発していない。
彼は、さまざまな不安な状況に加え、肉体的な疲労が重なり、ガンの悪い気の情報を受けやすくなっていたと考えられる。足の痛みなどの不調箇所を気功で改善させながら、家族の強い支えもあって、現代医学の治療法と気功を続け、病気を克服することができた。
3.気功と現代医学の化学療法併用
症例④ <肝臓ガン、再発>
67歳女性(主婦)。
初めてのガンは20数年前、乳ガンを発症。早期発見であったため、最小限の切除手術を行った。
その後、2001年に肺ガンを再発。これも早期発見で米粒のように小さく、最初は炎症かもしれないとのことであったが、3カ月間の経過観察のうちに大きくなったため、手術で切除した。
しばらくは健康な状態が続いていたが、2008年3月の定期検診で異常が見つかり、3月20日に医師から「ガン再発」を告げられ、説明を受けた。
CTおよびエコー検査で大きさ1.5cmの肝臓ガンが発見され、骨に近いため手術が難しい位置にあり、手術を行った場合は大きな処置になってしまうと言われた。血液検査によるマーカーの値も上昇していた。
治療方針は、比較的副作用が軽い経口の抗ガン剤を続けながら、しばらく経過をみることになった。これで改善しない場合、毛髪が抜けるような副作用の強い抗ガン剤を行うと言われていた。
2カ月後の5月のエコー検査では、ガンが1.8cmに大きくなっていたが、7月のエコー検査では1.8cmのまま変化していなかった。
気功施術は、再発直後からすぐに受け始めたが、当初、彼女はかなり落ち込んでいた。気功で十分克服できる病気であることを説明し、励ましながら指導を行った。練功はそれまで認知症の夫の病気回復を手伝うため、彼女自身も行っていたが、それからは自分のために真剣に頭の気功法や大雁功64式を最後まで覚えて熱心に行うようになった。頭の気功法は3分ごとに鳴るアラームをいつも携帯して、その都度行っていたという。
抗ガン剤治療では、「通常、手や足、顔が黒くなったり、皮膚が荒れたりする副作用が出る」と言われていたが、彼女には、まったく副作用が出ないので、医師からは「皮膚が強いね」と言われていたという。
そして10月、エコー検査を行ったところ、医師はいつも以上に時間をかけて入念に調べていたが、結局「どこを探してもガンが見つからない」と言われ、ガンが消えていた。
医師は「弱い抗ガン剤でこんなに早く消えるとは…」と驚いていたという。
発症当時、夫の認知症は気功によって改善しつつあったが、恐がりの彼女は、また悪くなるのではといつも心配し、ガンの元になる頭の悪い気の情報を増やしてしまっていたと考えられる。また、ガン発症後は、再発したことで落胆し、病気を心配して、ガンをさらに大きくしてしまったのだと考えられる。
彼女は、気功とガンという病気についてよく理解し、自分の考え方も変えて、懸命に気功に取り組んだ結果、ガンを克服することができた。
この患者のエコー検査の結果は、以下の体験談に紹介しています。
体験談『再発した肝臓癌が消えた』(医師「弱い抗ガン剤でこんなに早く消えるとは…」)
4.結論
ガン患者が持つ「ガンの気の情報」を受け取ると、人はガンの作り方を学んでしまいます。特に家族や親戚、友人などの親しい人間からの「気の情報」は受け取りやすく、また直接体が接触した場合など、悪い接し方をした場合は受け取りやすくなります。
特に悪い接し方としては、患者の正面に向かい合うと患者の足から出る悪い気を受け取りやすくなります。
労宮や天目(第三の目)と呼ばれる気の情報を取り入れやすい穴(ツボ)から悪い気の情報を受け入れないために、両腕に金属のブレスレットなどをすると気の流れをスピードダウンさせることができ、また手を握ることで悪い気を入りにくくできます。中国でも、天目を額のチャクラと呼ぶインドなどでも行われているように、朱色の物などで額を隠すことにより、穴から「悪い気」を取り入れにくくすることができます。
しかしながら、最も大切なのは,気功の練功などで自分の気を強く充実させること。それにより相手や外部から受け入れる「悪い気の情報」も少なくなり、自分で「悪い気の情報」を処理することができるようになります。
中国での考証によって、2000年前には「癌」という漢字が作られたことが証明されています。その時からガンという病気は存在しているのにもかかわらず、昔はそれほど急激に増加することはありませんでした。しかしながら、現代医学が発展し、数多くの人々が多くの予算を使ってガン克服のために努力しているのにもかかわらず、現在、ガンは増加し続けています。
なぜなら、現代医学は発症した患部への治療が中心で、ガン細胞を作る本当の原因に対応できていないためです。この原因自体にストップをかけられればいい。それは「ガンの気の情報」を取り入れないようにしていくことです。
例えば、マスコミなどでガン闘病後亡くなった方の報道が伝えられると、ガンという病気について「治らない病気」「死の病気」という誤った認識が広まることによって、ガン患者は恐怖心を抱えこむことになります。
ガンについて正しい知識を持つことが大切です。元々、誰でも毎日ガン細胞を作り、そして消すことができています。また世の中には、手術や抗ガン剤など現代医学による治療を行わなくてもガンが治った例がたくさんあります。
精神状態を良くすること。頭の経絡の気を良くすること。これは、精神的な病気や脳の病気を良くするだけでなく、心臓や腎臓、肝臓などのさまざまな臓器や多くの器官、部位の病気を良くすることにも繋がります。
具体的な方法としては、まず大雁功などの気功法を行い、良い気をたくさん取り入れ、経絡を通じさせること。
特に周天と頭の経絡を回すことが重要です。周天を回すための方法としては、私独自の考え方で、指を使って尾骨から背骨に沿って上げ丹田下まで回す功法を、また頭の経絡を回すための方法としては、百会から45度の角度にある頭の経絡を右回りに回す功法を指導しています。
皆様もぜひお試しいただき、ガンの予防や克服にお役立てください。
頭の経絡を回す気功法
頭の気功法を頻繁に行うことで、頭の悪い気をなくし、良い気を頭に循環させることができます。
【図1】紙を二等辺三角形に折って、図のように頭部に当てる。そこを接点Aとして覚えておく。
【図2】接点Aの円周上(頭部の中心から45度の位置)を、額から時計回りに手のひらの労宮穴をかざしながら回す。
手のひらで3週または9週回したあと、もう半周して、後頭部から顔の中央を通って下へおろす。
【上:図1 下:図2】
周天を回す気功法
周天を回すことで、全身の生命力を高め、体全体のバランスを改善させます。
【図4】左手の人差し指、中指、親指を伸ばし、尾骨をはさみながら上に「気」を流す。
【図5】背中に回した右手で「気」を受け取り、頭頂部を通して顔の前まで持ってくる。
【図6】右手を恥骨まで下ろし、「気」を流す。4~6を三回繰り返す。
【図4】 | 【図5】 | 【図6】 |
以上
以下は中国語版論文です。