プラス思考をしてはいけない理由 ~デメリットどころではなく百害あって一利なし
世の中にはプラス思考をすれば幸せになれるという話があふれていますが、私はそう思いません。
プラス思考をすると、むしろ物事がうまく行かなくなる場合が多いのではないかと思います。
端的に言えば、プラス思考は絶対にしてはいけないし、百害あって一理なしとさえ思っています。
今回はそんな「プラス思考をしてはいけない理由」について書いてみます。
病気になる理由と病気が治らない理由
病気になった人には病気になった原因が必ずあります。
同様に病気が治らない人には治らない原因もまた必ずあります。
人間の考え方によって病気にもなりますし、病気を悪くすることにもなります。
人間は考え方によって習慣が変わります。こういうものは苦手と思っている人はその行動を避けるようになります。
例えば、自分は足腰が弱くて歩くのが苦手という人は歩く機会が減っていって余計に足腰が弱くなってしまいます。
食べ物で言えば、これは嫌い、食べられないといったん思い込むとその食べ物を一切口にしなくなってしまいます。そういった好き嫌いの思い込みが強い人は食生活のバランスが崩れてしまいます。
バランスの崩れた生活を続けていくといずれは病気になってしまいます。
ではバランスが崩れてしまった理由はなんでしょうか?今説明してきたように「考え方や思い込み」が原因なのです。
つまり、考え方は人を病気にしてしまう程強力であるということです。
そして考え方の中でもプラス思考は最も害のある考え方であるといっても過言ではありません。
プラス思考で病気が治らない理由
プラス思考の人が間違った治療法をした場合どうなるでしょうか?
例えば間違った治療法を続けていて症状が悪くなっているプラス思考の人がいるとします。この人はプラス思考なので「症状が悪化してるように感じられるけど、これは好転反応だから一時的に悪くなったように見えるだけでもう少し続けていけばよくなっていくはずだ!」と考えて、治療法を変えようとしません。その結果、間違った努力を続けてしまい、ますます体を悪くしてしまいます。
マイナス思考の人はもともとはプラス思考だった?
プラス思考の人が「うまくいく、うまくいく、自分はすばらしい、すばらしい」と物事をプラスに解釈し続けていてもうまく行かないことがほとんどなはずです。現実を無視して、「うまくいく、うまくいく」と妄想してるのですから。
「うまくいく、私はすばらしい」と夢を見続けていた人が現実に直面し夢に敗れた場合どうなるでしょうか?
無理やりプラスに解釈していたことが幻であったことに気がつき、現実を目の当たりにして恐怖心に襲われます。
その結果、腎臓の気が弱くなり恐怖症になってプラス思考からマイナス思考になってしまいます。
陰陽五行では恐怖の感情が強くなりすぎると、腎臓が弱くなると考えられています。腎臓は体内の老廃物を処理する大切な器官です。その腎臓が弱ってしまうと病気になりやすくなってしまいます。
正しい思考法
プラス思考が良くて、マイナス思考がダメと言ってる人は思考というものを理解していません。
思考にプラス・マイナスは必要ありません。正しい思考は「調べて比べて判断する」ことです。
プラス思考は現実を「調べて比べて判断する」ことをせずに無理やりプラスに解釈しようとします。それはただの妄想です。
ただ妄想をしていても何も解決しません。
では希望や願望を持つことはいけないのかというとそんなことはありません。これらは妄想ではなく目標です。
目標に向かって現実を「調べて比べて判断」すればいいのです。これを「プラス行動」と言います。
プラス思考ではなくプラス行動をするのが正しい考え方なのです。
プラス思考で目標達成できない理由
新しいことを始める時に失敗はつき物です。プラス思考で失敗を解釈すると、失敗を失敗と認識できなくなってしまいます。
失敗してるように見えるけど、次はうまくいくはずだと根拠もなくプラスに解釈してしまうからです。
目標を達成するには失敗から学びやりかたを修正していく必要があります。
プラス思考をして無理やり良い結果を妄想してしまうとそれができません。
失敗したら、原因を調べて、うまくいった事例と比べて、どう修正するか判断する、先ほど説明したプラス行動です。
プラス行動を成功させるには中庸の思想をすることが重要です。
中庸の思想とは
一言で言えば行き過ぎていないということです。
右でもなく左でもなく上でもなく下でもない真ん中を、目標に向かってまっすぐ歩きます。
ではどうやって、中庸かを判断するかを、いくつかの分野を例に判断基準を紹介します。
まずはスポーツの分野から紹介します。野球を例に考えて見ましょう。
例1 野球を上達させる中庸の方法
何事においてもそうですが、やりすぎるのはよくありません。野球の練習もやればやるほどいいというものではありません。
例えばピッチングの練習をやりすぎると肩を壊してしまいます。かといって、肩にかかる負荷を気にしすぎていては練習できません。ではどうすればいいでしょうか?
いろいろな投げ方をすることで筋肉をバランスよく使えばいいと思います。上から投げるだけでなく、横からも下からも投げる、こうすれば、肩の一部分に負荷が集中することもなくなります。
練習の負荷については、次のように考えるといいでしょう。
「筋肉が痛いならもう少しやる、筋肉がつるようなら減らす、麻痺したらやめる」
体の状況を観察して、その時々で練習量や休むバランスを調整していく、それが中庸の考え方です。
例2 効果的な勉強法
勉強も運動と同じでやりすぎるのはよくありません。脳は使いすぎるとうまく働きません。
疲れたら休む必要があります。
勉強していても頭に入ってこない、覚えられない、頭が回らなくなってきた、そんな時は休むべきタイミングです。
脳の疲れという観点で考えると、勉強は朝やるのが一番です。朝は睡眠によって十分に休息を取った脳が最もよく働く時間だからです。
プラス思考をすると現実を受け入れられない?
勉強も運動も続けていて一向に成果が上がらない場合、やり方が間違っている可能性があります。この場合にもプラス思考すると問題が発生します。成果が得られていないのに、その現実を受け入れずに無理やり良い解釈をしてしまうからです。その結果、まったく上達しない練習や勉強法を続けてしまいます。それではいつになってもうまくいくことはありません。
あるいは目標自体が自分に合っていないかもしれません。例えば背の低い人がバレーボールのアタッカーをやりたいと言ってもうまく行くでしょうか?趣味でやる分にはいいですが、本気でその分野で成功したいと考えるのならば自分に合ったものを選ぶべきです。プラス思考すると、何でもできるかのように思えてしまいますが、人には向き不向きがあります。わざわざ自分に向かないものを選ぶことはありません。自分に合った道を選ぶことが大切です。
現実にあわせて修正していくことが大切
物事が一度うまくいくようになってもそのままうまくいき続けるとは限りません。そんな時にプラス思考をしていると、「今までうまくいったんだから、これからもうまくいく」と過去の成功体験にとらわれて、やり方を修正することができなくなってしまいます。プラス思考には現実を見えなくしてしまう危険性があるということです。
プラス思考は物事を始めるきっかけには良い?
例えば、初対面の人に話しかける時に「この人とはきっと仲良くなれるはずだ!」とプラス思考をすることで、話しかけることができる、そんな場合があるかもしれません。一見するとプラス思考が良いことであるように感じられます。しかし、これもまたダメなのです。
「この人とはきっと仲良くなれるはずだ!」というのは、ただの思い込みであり、妄想です。そうではなく「この人と仲良くなるためには、どうすればいいだろう?どんなことを話せばいいだろう?」と考えて行動するのが正しいやり方です。
プラス思考をすると、何の根拠もなく「うまくいくはずだ」と考えてしまい、うまくいかせるための努力をしなくなってしまうことが問題なのです。
よく「だめもとでもやってみるのが大事」といいますが、だめもとでやるのは賭け事と同じです。運がよければうまくいく、悪ければ失敗する、ギャンブルと一緒です。
そうではなく、どうやったらうまくいくかを考え行動することが大切です。
楽しいことをすれば、病気が治るというのは嘘
テレビ番組や書籍などで「笑うと免疫力が上がる」と喧伝されていますが、これについて私は懐疑的です。
笑うと免疫が上がるのであれば、毎日テレビで面白いバラエティ番組やコメディ映画を見ていれば病気は治るということになりますが、実際はどうでしょうか?面白いテレビ番組を見て毎日笑っている人でも病気になる人はいます。
何も笑うことが良くないといっているわけではありません。
ただ、「笑っていれば免疫力が上がって病気が治る」と考えてしまうと、病気を治すために必要な行動をしなくなってしまいます。
これが問題なのです。
つまり「笑っていれば免疫力が上がって病気が治る」と考えるのは「プラス思考」なのです。プラス思考していても病気は治りません。
プラスとなる行動をしなければ病気は治りません。
毎日笑って楽しくしてれば病気が治ると考えるのではなく、楽しく病気を治すのがプラス行動です。
「楽しく」と言っても病気を治すために必要な行動の中には楽しくないものもあります。食事を制限したり、規則正しい生活をしたりと今まで好き勝手にやっていたことを変える必要があります。ですが、病気を治すという目標を決めて、そこに向かって一つ一つ取り組んでいき、試行錯誤しながら成果を積み上げていけたら、楽しく感じられるのではないかと思います。
自殺する人は元々プラス思考だった人?
人が自殺する理由とはなんでしょうか?借金などによる経済的理由、学校や職場でのいじめ、重い病気にかかってしまい治る見込みがない等、人それぞれですが、一言で言えば、生きることに絶望し希望を失ったことが原因といえるでしょう。
では、なぜ人生に絶望し希望を失ってしまったのでしょうか?
プラス思考をしていたからです。
例えば、借金がある人がプラス思考をするとどうなるでしょうか?「大丈夫!きっとお金は返せる!」と考えます。本来はどうすればお金を返せるだろうかと考えて、お金を稼いだり、生活費を節約したりしてお金を作るべきなのに、プラス思考をすると努力をしなくても良いことがおきてお金が返せるはずだという妄想が生まれます。お金を返す努力をしなければ、当然借金は減らず、利息が積み上がって、借金は膨らんでいきます。最終的にプラス思考に限界が生じて現実に目覚めます。突然絶望的な現実を目の当たりにしたら、生きる希望を失ってしまい、死ぬしかないと考えてしまいます。プラス思考をやめて、現実を見ればできることはあるはずです。
プラス思考をして、現実に対する努力を怠ったからこそ、このようなことになってしまったのです。借金であれば、自己破産をすれば借金を解消して人生をやり直すことができます。プラス思考による妄想がそのような現実を曇らせて見えなくしてしまうのです。
ホームレスは中庸の思想をしている?
経済的な理由で自殺をする人がいると思えば、ホームレスのようにお金も家もなくても生き続ける人たちがいます。
彼らはプラス思考をすることなく、お金にとらわれていないため、お金も家もなくてもる生き続けることができるのでしょう。そうであるとすれば、ホームレスは中庸の思想をしているかというとそうではありません。
中庸の思想は右に行き過ぎることもなく、左にでもなく、上でもなく、下でもなく、真ん中を目標に向かって歩くことだ説明しました。ホームレスもまた、右に行き過ぎることもなく、左にでもなく、上でもなく、下でもなく、真ん中にいるのかもしれません。しかし、彼らには目標がありません。ですから、ホームレスは”中庸”ではなく”中央”に立ち止まっている状態なのです。これは中庸の思想とは異なります。
プラス思考は百害あって一利なし
これまで述べてきたとおり、プラス思考をすると、現実を見ず都合のいい妄想をしてしまいます。都合のいい妄想をしてしまうと必要な努力・行動ができなくなります。現実を変えられるのは行動だけです。
都合のいい妄想によって、必要な行動をできなくしてしまうという意味で、プラス思考は百害あって一利なしと言えます。
プラス思考をしている方は今すぐやめて、中庸の思想を取り入れてプラス行動を心がけてみてください!