「気功」の一領域である「法術」
病気克服を求め続けるうちに、「霊」をコントロールする「法術」と出会う
これまで、私は気功の修練と病気の研究に励むかたわら、さまざまな病気の施術や指導に努めてきました。1990年に横浜で開院して以降、多くの患者さんが訪れ、私もみなさんの健康になりたいという思いに応えようと懸命に努力してきました。劇的に快癒した方もたくさんいます。
しかし、いつの頃からか一部の患者さんにある傾向を認めるようになりました。気功を施術した直後は、確かに症状も緩和し、回復したように見えるけれど、患者さんが自宅へ戻ったり外出したりすると、再発したり調子を崩してしまったりするのです。
施術後に患者さんの反応を見て、また私自身の手応えから「これで大丈夫だ」と判断した人でもまた症状が悪くなる。
経絡を通じさせたのに良くならないのです。なぜなのだろうと思うようになりました。
そんな折、中国で高名な気功の老師たちと交流をもつ機会がありました。私は、先生たちに思い切って自分の悩みを尋ねてみました。するとある先生が「それは法術に関係あることだ」と話されました。「どういうことですか?」と私がさらに問うと、その先生は「いわゆる霊の問題だ」と続けたのです。正直、私は霊という言葉が用いられたことに驚きましたが、その一方でぜひ法術を勉強したいと思いました。知らないことを学んで病気を癒すことができれば、これほど良いことはないからです。そこで法術に精通している黄茂祥先生とのご縁があって、教えを乞いました。黄先生は開口一番「霊は実在する」と話されました。それはお化けのような想像上のものではなく、現実に存在するもの。だから悪い霊に憑かれても「特定の方法によって解くことができる」というのです。その方法を体系化したのが気功の一領域である法術です。
私は、法術を学ぶうちに、患者さんの経絡を通じさせ、臓器の働きのバランスを整えたにもかかわらず、なぜ症状がぶり返すのか次第にわかるようになってきました。
それからというもの、私は気功・法術でたくさんの方を施術してきましたが、実践する中で、病気のおおもとの原因に悪い霊が関わっているものが大変多いことに気づきました。そして、気功・法術によって、よりはやく、より高い確率で病気を改善させることができることを確認してまいりました。
一般の人々は、霊を扱うのは宗教の役割だと思っている人が多いはずです。しかしながら気功・法術は、その成立の歴史からみても、宗教と非常に密接に関係しており、霊のコントロールのさまざまな智恵や方法があるのです。
実は現代を生きる私たちは、あまりにも自然すぎて気づかないうちに、生活の中で、宗教をはじめ、まじないや願掛け、お札やお守りなどさまざまな方法を通して、霊をより良くコントロールすることを願って暮らしているのです。