人はなぜ睡眠を必要とするのか? 〜睡眠はコンピュータのデフラグ?
「気功」の視点で、さまざまな生活習慣を考える
3)人はなぜ睡眠を必要とし、しかも横になって寝るか
「気功」で考える睡眠の取り方
コンピュータ用語に「デフラグ」(最適化)という言葉があります。長い間コンピュータを使い続け、ファイルの保存と削除を繰り返しますと、やがてディスクの空きスペースにファイルが断片的に保存されてしまうような状態になってしまいます。こうしたファイルの断片化が進むと、効率良い使用環境が侵されていってしまいます。
それを防ぐために、時々はファイルの整理整頓・デフラグをやらなければなりません。このデフラグと同じことを、人間の脳や身体でも行う必要があります。
私が大明気功で指導している内気功の練功・静功は、積極的にデフラグを行うもっとも良い方法です。
また、眠るというのはもっとも簡単なデフラグといえます。夜になったら寝て、朝になって起きだす頃には、脳と身体は整理整頓されて、再び活発に動き出すにふさわしい環境に書き替えられているのです。
眠りを臓器のバランスから考えてみます。人間が直立歩行を始めてから、腎臓の精気が上に行くのが難しいので、ときどき横に寝ることで腎臓の気が体に回りやすくなります。
一方、いつも仰向けに寝ていると、腎臓とそれに関連する経絡が圧迫されるため、疲れが出たり、腰痛になりやすくなります。同じ姿勢で寝続けるより、適度に寝相を変えた方が健康に良いのです。
同様に心臓も、直立したことで、心臓から上や、足から心臓まで戻る血流など、全身に血液を送る負担が増しました。睡眠にはこうした負担から定期的に解放され、身体をリラックスさせ、気の循環を良くし、臓器の気のバランスをとる働きがあります。
人はなぜ睡眠を必要とし、しかも横になって寝るかというと、縦から横という位置の移動を行うことで、主に脳の「悪い気の情報」を体外に出し、「良い気」を取り入れるからです。さらに、体内の気のめぐりを良くし、臓器の陰陽のバランスを整える意味もあるのだと思います。だから規則正しい睡眠が重要になってくるのです。